塚野鉱泉とは

塚野鉱泉の歴史

塚野鉱泉は明治16年(1883年)に創業いたしました。それまでも鉱泉は人知れず湧いていました。ある時長患いをしていた甲斐市五郎という方がこの水を飲み、健康を取り戻しました。そのあまりの効き目にこの鉱泉を世に広めようと、発起人となり塚野鉱泉という湯治場を起こしました。それから140年近く立ちますが今でもこの鉱泉はたくさんの方に健康を届けています。

泉質 含二酸化炭素―ナトリウムー塩化物炭酸水素冷鉱泉
鉱泉の飲み方 鉱泉は食事をとる前の空腹時に飲みます。一番効果的なのは朝起きて食事をとる前です。
温泉分析書

Ⅰ 湧出地における調査及び試験成績

(1)泉温 15.7℃(気温6.2℃)
(2)湧出量 4.7L/min 自噴 (3)知覚試験 無色・透明・強炭酸味・中塩味・微弱硫化水素臭 (4)pH値 6.2(25℃)

Ⅱ 試験室における試験成績

(1)知覚試験 中黄褐色・透明・中炭酸味・中塩味・殆ど無臭(24時間後) (2)密度 1.0053g/㎤(20℃) (3)pH値 6.6(26℃) (4)蒸発残留物 9.01/kg(105℃)

Ⅲ 試料1kg中の成分 分量及び組織

1.陽イオン(カチオン)表

成分 ミリグラム(mg) ミリバル(mval) ミリバル(%)
リチウムイオン 6.1 0.88 0.53
アンモニウムイオン 11.5 0.64 0.38
ナトリウムイオン 2940.0 127.88 76.77
カリウムイオン 69.3 1.77 1.06
ストロンチウムイオン 12.0 0.27 0.16
マグネシウムイオン 282.0 23.21 13.93
カルシウムイオン 235.0 11.73 7.04
鉄イオン 5.4 0.19 0.12
マンガンイオン 0.2 0.01 0.00
3561.5 166.58 100.00

2.陰イオン(アニオン)表

成分 ミリグラム(mg) ミリバル(mval) ミリバル(%)
フッ化物イオン 0.9 0.05 0.03
塩化物イオン 4090.0 115.37 69.34
硫酸イオン 0.0 0.00 0.00
炭酸水素イオン 3110.0 50.97 30.63
リン酸イオン 0.3 0.01 0.00
7201.2 166.39 100.00

3.遊離成分

非解離成分 ミリグラム(mg) 溶存ガス成分 ミリグラム(mg)
メタ亜ヒ素 0.0 遊離炭酸 1170.0
メタケイ素 115.0 遊離硫化水素 0.0
メタホウ酸 110.0
225.0 1170.0
溶存物質合計(g) 10.988 成分総計(g) 12.158

4.その他微量成分等(飲用に係る成分)

成分 ミリグラム(mg)
総ヒ素 Asとして 0.008
総水銀 Hgとして 0.0005未満
鉛イオン Pb2+ 0.01未満
銅イオン Cu2+ 0.05未満
フッ化物イオン F- 0.1未満
遊離炭酸 CO2 1170
一般細菌 /mL 0
大腸菌群 検出されない
KMnO4消費量 4.0

Ⅳ 泉質 含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉旧称:含炭酸・重曹-食塩泉(中性 等張性 低温泉)

適応症および禁忌症

浴用の適応症 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病
浴用の禁忌症 急性疾患(特に熱のある場合)、活動性の結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、その他一般に病勢進行中の疾患、妊娠中(特に書記と末期)
飲用の適応症 慢性消化器病、慢性便秘、
※また、一般的に甲状腺機能亢進症のときはヨウ素を含有する温泉を禁忌であるが、塚野鉱泉はヨウ素を含まない。
飲用の禁忌症 腎臓病、高血圧、その他一般的にむくみのあるもの

昭和50年10月16日
分析者 古賀昭人/野田徹郎
九州大学温泉治療学研究所

平成15年2月7日
社団法人 大分県薬剤師会

飲用効験

便秘・胃潰瘍・肝臓・糖尿病・胃下垂・胃拡張・喘息・胆石・貧血・十二指腸潰瘍・気管支・加答児・過飲過食

鉱泉飲んで胃腸病撃退

不思議にこんこんと湧き出る鉱泉を柄杓で飲用の朝夕の顔馴染みも深くなり、お国話しに花が咲くほほえましき旅情です。

飲用方法 一般的に朝食前の空腹時に飲むことをお勧めいたしますが、自分の体調・症状に合わせて飲み方を変えていただくと、より一層の効果が期待できると思います。下記に消化器系病に適した飲用方法、肝機能向上に適した飲用方法を記します。また、以下の説明に出てくる数値は目安であり、個人差によって変化します。
消化器系病に適した飲用方法 ①朝食前(空腹時)に冷鉱泉を飲みます。(500ml~2l)前夜遅くに食事をし、胃に食べ物が残っている場合は便が出にくくなります。前日の食事から8時間以上あけて飲んでください。
②個人差はありますが20分~1時間くらいで便意が感じられます。
③軟便・水溶性の便が出て、胃腸の中をきれいに流します。飲んだ鉱泉の量にもよりますが、1~2時間くらいで流し終わり、便は止まります。ただ、体調の都合などで便が止まりにくい場合は入浴などで体を温め、腸からの水分の吸収を促してください。便が軟便・水様性であるのは、鉱泉内に含まれる成分(マグネシウム・ナトリウム等)が腸に適度な刺激を与えることによって排出を促すためであり心配はありません。
肝機能向上に適した飲用方法 朝食前(空腹時)に、41、42℃くらいの鉱泉をコップ一杯(約200cc)ほど、ゆっくり時間をかけて飲んでください。
浴用効験

神経痛・高血圧症・やけど・リューマチ・切傷・皮膚病・痔などに特効

浴用上の注意 ①最初は朝夕2回位が適度です。
②しばらく身体の調子を見て回数を増やしてください。
③1回の入浴時間は最初5~10分位から始めてください。日を重ねて慣れるに従って増やし20~30分程が最適です。皮膚病、神経痛は回数が多いほど効果的です。
療養上の注意 ①食欲が増すため、暴食の結果不良になることがあるので注意してください。
②便秘のない人は2~3分位は腰までで、少しずつつかってください。

これ等はほんの一例であるが、要するに正しい療養を行うならば、特効のある泉質と相俟って非常な結果を挙げることがで出来るのであるからよく注意して折角の湯治を有効に終わって頂きたい。
飲用上の注意 無理飲みは絶対に厳禁です。自分の体調を見て適量に服用することが大切です。

・胸のヤケル人・スッパイもののあがる性質の人は特に注意して、加減してお飲みください。
・便通のためには冷鉱泉を飲み、食欲促進のためには多少温めて飲んで下さい。
・便中膿、血等の混じる場合は飲用を止めて下さい。
・夜間は興奮するので、なるべく飲まないようにして下さい。
・無理飲みは却って害があるので止めて下さい。
・胃潰瘍・胃下垂等重症患者は湯(主)水(従)にて飲用して下さい。